第14章 『必ず還すから』
ハンジさんは愕然とした表情を一瞬だけ浮かべたが、瞬く間に辛そうな顔つきになった。
天姫「…何でハンジさんがそんな顔をするんですか?」
ハンジ「天姫が、平気そうな顔をしてるからだよ!!君は自分を疎かにしすぎだ!!
ナルト君を庇って巨人に喰われた時もそうだよ。
自分の事は自分が1番大事にしてあげないと他に誰がしてくれるのさ!!」
天姫「え…、そんな事は考えた事も無かったですよ。力がある以上、私が他の人を助けることはあっても逆は無かったし、心配もされたことないですよ」
ハンジ「っ!!…天姫が心配されたことがないって?
それは嘘だ。そんなことありえないよ!
君はあの仲間たちを信用していないのかい?」
・・あれだけ思い合ってる仲間が心配してないはずはないよ!!
天姫「…本当にハンジさんは鋭いですね。
でもね 私が暗部にいたことを知ってるのはカカシ先生だけです。だから、他の皆は知らないんです。」
・・・そう、他の皆は知らないんだ。
私はそう言って力なく笑った。
ハンジ「…。でも、他の皆も心配してる!!それに何より私がするんだ!!」
・・私の勘が当たってるなら、ナルト君だけは少なくとも確実に君を思ってるはずだ。
それは恋愛みたいな感情じゃないけど、とても素直な気持ちなんだよ。
天姫「っ! ありがとう、ございます…。」
・・・ははっ、何でこうも嬉しいこと言ってくれるんだろう?
ハンジ「それにね、ナルト君は絶対に君を心配してると思うよ」
天姫「……!」
・・・なんで!ナルトの名前が出るの!?
絶対にあの事は知らないはずなのに!
私は予想外の事に動揺を一瞬だけ出してしまった。しまった と思ったがハンジさんの目はその動揺をしっかり捉えていた。