第13章 『見つけた手掛かり』
私は夕食を食べてから1人で訓練場の森に来ていた。
何故こんなところに来てるかって?
それは1人で考えたいことがあったからだ。
天姫「…これが私の業か」
ため息と共に私は夜空を木の枝から見上げそう呟いた。
私は今日の報告会で嘘をついた。
本当は術についてわかっていたのだ。
でも言えなかった。
天姫「何でこうなるんだろう…。久しぶりにこの血が恨めしく思う」
そう、言えなかった。
理由は…
私の一族、葛乃葉一族が大きく関与していたからだ。
今回の原因となった術の名は…
ーーー時空天征ーーー
天狐の神通力による時空間忍術にして最高位の血継限界。
術の力は時空を操り、世界の天空を征服するというものだ。
用は敵を異界へと飛ばすことが出来る術だということだ。
だが葛乃葉一族なら誰でも使えるわけでは無い。この術は天狐の力を受け継いだ者のみが使える術だ。
となると私の先代の天狐の依代となった人がかけた術だと考えている。
木の葉を貶めるつもりでかけられたのだろう。
こちらに何らかの災厄を呼び込もうとしたんだと私は思ってる。
私は自分の一族が残した術が未だに残り仲間に降りかかるとは全く考えていなかった…。
天姫「私がなんとかしないと…この手紙の通りに…」
・・・皆を元の世界へ送り返す。
私は見つけた物を握りしめた。