第12章 『森の中で』
急いでその場を離れる途中で、リヴァイさんの動きが鈍くなっていることに気づいた。
天姫「リヴァイさん足悪化してますよね」
・・・この人は自分のことに鈍感?
リヴァイ「あ?んなことねぇ」
そう言って少し私から間隔を開けて並走しだした。
天姫「なんで離れるんですか?」
・・・自白したのと一緒ですよ。それ。
私は瞬身で一気にリヴァイさんの懐に入り、一瞬で木の上に押し倒した。
天姫「確実に鈍ってますよ。私のこの程度の攻撃に反応遅れるような人じゃない」
私は組み敷いた状態でそう言ってからその場をどいた。
リヴァイ「ちっ」
・・く、この負傷はダメージがでかい。今のあいつらを取り押さえるのは難しいだろう。
なのに何故逃げない。あいつほどの頭があればそんなこと気づいてるはずだ。
舌打ちをしてそっぽ向くリヴァイさんをそのままに、私はミカサとエレンを紐で背中に括り付けてから未だにその場に座っているリヴァイさんの背後にスッと回り込み素早く抱え上げた。
そして落ちて逃れることを諦めるぐらいのスピードで森を疾走した。
天姫「大人しくしてくださいね」
・・・重っも!!!え!?こんな小柄なのに!!
リヴァイ「おい!やめろ!!」
・・ふざけんな!!
天姫「そんな足で走って取り返しの付かない事態になったらどうするんですか。リヴァイさんの代わりを出来る人はいないんですよ?
貴方がどれだけこの調査兵団にとって大切な人物かなんてたった数日でもその中で過ごせばわかるんですよ!」
それに、私達はいつまでもこの世界にいるわけではないんですから。と小さい声で呟いた。
リヴァイ「おい、それはどういうことだ」
・・…。帰る手段を見つけたのか?
私自身は声に出したつもりなんて無かったのでリヴァイさんから返答があったことに驚いた。
天姫「もしかして…声に出てましたか?」
リヴァイ「バッチリな」
天姫「聞かなかったことにして欲しいです。」
私は苦笑いを浮かべつつそう言ったきり口を開こうとはしなかった。
私に話す気が無いとわかってるようでリヴァイさんもそれきり口を開かなかった。