第12章 『森の中で』
私は自分の班のメンバーが無惨に殺された死体の横を無表情で通り過ぎるリヴァイさんを見て、この人のことが無性に心配になった。
この人達はエレンを守ろうとして残ったんだ。
この先に馬の足音が一つ聞こえる。
きっとそれがエレンだ。
そして前方からガスを吹かす音が一つ聞こえる。
ドゴォォォオオォォン!!!
爆音とともに砂煙がこちらに押し寄せてきた。
天姫「っ!?なに!?」
・・・何これ!!??
リヴァイ「ちっ」
・・エレンのやつ
土煙りが引いてから音のした方へと急いだ。
すると見えて来たのはミカサが女型の巨人と対峙している光景だった。
ミカサがうなじにトドメを刺そうと動いたが女型の巨人は皮膚を部分的に硬質かさせることができ、ブレードが通らない。
そのことを知らないミカサは刃が通らなかったことでバランスを崩し殴られかけていた。
絶体絶命の状態のミカサと巨人のての間にリヴァイさんが身体を滑り込ませミカサを庇った。
リヴァイ「くっ」
天姫「っ!!リヴァイさん!!」
ミカサ「え!」
私は直ぐに2人の所に近づき2人を抱えて少し高めの枝まで飛んだ。
女型の巨人を視野に入れて離れれる所までいったん後退した。
天姫「2人とも無茶しすぎ!」
・・・そんな2人の戦いを見て敵の行動を観察してた私が心配するのも変な話だけどね。
というか心配する権利もないね。
内心で考えてることなんて微塵も表に出さずにそう声をかけた。
そして顔を強張らせてるリヴァイさんを不思議に思い「どうかしたんですか?」と聞くと
リヴァイ「…なんもねえ」
と、話をそらした。
私はジロジロとリヴァイさんの身体を見回してから おもむろに足を掴んだ。