第12章 『森の中で』
エルヴィン「流石だね。その通りだよ。」
天姫「あ、エルヴィンさん。この作戦のために先に行ってたんですね」
私が立っていた枝の一段上の枝にエルヴィンさんがやってきた。
エルヴィン「君はこの巨人をどう思う?」
・・違う世界の観点で今を見たらどう考える?
天姫「そうですね。この巨人は意志を持ってるように感じます。人を食べることが目的ではなく、殺す…いや、行動不能にすることが目的でしょうね。殺すのはあくまでもその方が楽だから、という感じがします」
・・・まだ隠してることがあるかな?どうやったら引き出せるだろうか。
エルヴィン「ほう、意思か。
何故そう思ったのかな?」
天姫「理由ですか?
それは死体の状態からですね。森に着くまでの巨人の被害に合った隊は喰われた後が残ってる物がほとんどでした。
なのに森に入ってからはその痕跡がほとんどありません。踏み潰されたり、幹に叩きつけられたり、体が引き裂かれてたりといった物ばかりですね。
次は私が質問していいですか?
以前、エレンが巨人になれると話を伺いましたが、その時も理性は残るですよね?あの巨人みたいに」
エルヴィン「勿論だよ。
エレンも確かに理性が残っているよ。」
・・すごい観察力と記憶力だ。そして凄まじい推理力。憲兵にこの頭脳が渡ってなくてよかったと思うよ。
天姫「そうですか。
なら、あの巨人の中にも人間がいると考えてるんですね。だから、ああしてうなじを開こうとしている」
・・・中々上手くいってないみたいだけど
私とエルヴィンさんが互いの懐を探るような会話をしているうちにもリヴァイさんやハンジさんは巨人を調べていた。
すると
あ“あ“あ“ぁぁぁあ!!!!!
凄い叫び声が巨人からあがった。
天姫「うっ、なに…この声!?」
・・・うるさっ!!なんて声を上げるの!!
耳がいいせいで頭がガンガンする!!
両手で耳を庇いながら音源である巨人を観察し続けた。