第11章 壁外調査
下から大きな梟がやって来る光景を目にしていた右翼索敵の兵士達は「こんな時にっ!」「なんだあれは!?」と絶望の色濃い声を上げ、平静を保つことができなくなっていた。
然し、疾風のようなスピードでやってきて周りの巨人の間をくぐり抜けようとして大きく旋回をした時にその背中に“希望”が乗ってるのを目にし、兵士達の瞳に希望の炎が灯った。
「あれは…兵長っ!」
「来てくれた!」
「あの梟はなんだ? もう1人乗ってる…忍と言ってた娘だ」
兵長の姿を見つけた時は只々 希望を胸に抱いたが、忍を見たときは戸惑いを抱いた。
然し、兵長と共に巨人を駆逐して行く姿に戸惑うより戦力としての大きさ、そして何より空を舞うその姿に希望を見た。
天姫「リヴァイさ……兵長、一旦下に降りてもいいですか?」
・・・他の兵士達の前では敬称はつけるべきだよね
リヴァイ「ああ。状況を知りたいしな」
・・あ?いきなり呼び方変えやがったぞ こいつ。
そんな会話を上空で繰り広げてから高度を下げ低空飛行で下で奮闘していた隊に近づいた。
リヴァイ「状況はどうなってる」
・・ちっ、ここまで壊滅してるのか。くそっもっと早く駆けつけていれば
「進行中 突如巨人の大群が右前方から押しよせて来て索敵班が応戦、しかし奇行種が5体おり索敵陣形内部までの進行を許し、現在では右翼索敵班は壊滅。我々も応戦しつつ本体との合流をしようとしていたところです」
・・兵長が来たならまだ希望がある。
リヴァイさんの問いにこの隊の班長だろう人物が答えた。巨人との応戦で疲弊しているようだが まだまだ動けそうで何よりだ。