第2章 感情
かくかくしかじか、なんかじゃ伝えきれない思いを話す。
本田と交わる視線からは、真剣に聞いてくれている、ということがもろに伝わってくる。
一度もそらされることは無かった。
「それはきっと… というか、確信を持って言えます…」
「なっ…なんなんだっ!?」
俺は思いっきり本田の肩を掴む。
と、本田は目をそらして何かを思いついたように手を叩くと、いきなりにやにやしだした。
「なんだ…その顔は…」
「あ、いえ…これは失敬。ついその気持ちの正体に気づいた時のギルベルト君の反応を想像すると妄想の幅が広がr…のではなくですね…
ええと、まぁ、気づける日が近々来ますよ。
恐らく今日中にでも…
健闘を祈ります! ぐっどらっく!」
「え。」
終盤、早口になりながら訳の分からないことを言ってどっかに行った。
よくあんなに呂律回るな。
「なぁんか、相談した意味、ほとんどゼロだったな。」
そう呟くと、今度は安堵の溜息が出た。
心の支え…的な?
ゼロじゃなかったみたいだな。