第7章 -失恋-(高尾和成)*★
オレは人混みをかきわけて、
くるみちゃんを探した。
いたっ‼︎
ホークアイ、ナメんなよ。
「くるみちゃん‼︎」
オレは真ちゃんと歩いてる
くるみちゃんの前に走った。
「高尾くん…。」
「わりぃ、真ちゃん。
オレ…くるみちゃん借りていい?」
借りていいとか聞いときながら、
オレはもうくるみちゃんを
自分のほうへ引き寄せていた。
「フッ…。
お前のホークアイも
少しは曇りが取れてきたようだな。」
「おうっ‼︎もうバッチリだぜ?
真ちゃん!ありがとな!」
オレはくるみちゃんの手を取り、
また人混みを抜けて、神社を出た。
「た…高尾くん…あの…」
「あ。わりぃ。
もっとお祭り見たかった?」
「ううん…あの…手…。」
オレはくるみちゃんの手を
握ったままだった。
手を放すとくるみちゃんが
いなくなっちゃうんじゃないかと思った。
「ダ〜メ。
もうちょっと…繋いでて…」
心臓がバクバクしていた。
でも、手を繋いでいて感じる
くるみちゃんの暖かさに、
オレは勇気をもらっていた。
「くるみちゃん!」
「は…はい!」
「オレ…散々篠崎さんが好きだっつって
いっつもくるみちゃんに
相談してたけど…
オレ、やっとわかったんだ。
いつも横にいたから気づかなかったけど
オレ、くるみちゃんが好きだ!」
「高尾くん…」
「えっ⁈あ…くるみちゃん⁈どした⁈
ごめん。今更…信じらんないよな…」
突然くるみちゃんが、
ポロポロ涙をこぼした。
オレは慌ててくるみちゃんの
涙をぬぐった。