第7章 -失恋-(高尾和成)*★
結局宮地さんと篠崎さんは、
2人で行ってしまったが、
オレは木村さんや大坪さんと、
テニス部の先輩女子たちと夜店をまわった。
「高尾くーん!金魚すくいしよぉ♪」
「あ!はーい!やるやる〜!」
オレは別にやりたくなかったけど、
金魚すくいをした。
でも、こんな人混みでも、
他のコトをしていても、
すぐに見つけてしまう…。
篠崎さんでなく…くるみちゃんを…。
くるみちゃんは真ちゃんと
ヨーヨーすくいをしていた。
真ちゃんがヨーヨーをすくうと
くるみちゃんは笑顔で喜んで、
真ちゃんからヨーヨーを受け取っていた。
バシャン…
「あ〜あ。高尾くん、破けちゃった。
よそ見してるからだよ〜。」
「あちゃ〜すんませ〜ん。」
笑顔を作って謝りながら、
さっきの夜店を見たが、
くるみちゃん達はもういなかった。
くるみちゃんたちの代わりに、
宮地さんと篠崎さんを見つけた。
2人はリンゴあめを食べながら、
手を繋いで歩いていた。
宮地さんのあの甘い顔…(笑)
まぁやっぱお似合いだよなぁ。
不思議とあの2人を見ても、
ズキンと心が痛まなくなっていた。
つか、オレやっぱ…
「ちょっ…高尾くん⁈」
オレは先輩女子たちに
呼ばれるのを無視して、
宮地さんと篠崎さんのところまで走った。
「高尾?どぉしたんだよ?」
当たり前だけど、
宮地さんは怪訝そうな表情…
「宮地さん!すみませんっ!
5分だけ篠崎さん借りますっ‼︎」
それでも、オレは、
そのまま篠崎さんの手を取り、
宮地さんに制止される前に
神社の端まで行った。
「高尾くん⁈どうしたの⁇
なにかあったの?」
「はい。」
オレは息を整えて篠崎さんを見つめた。