第7章 -失恋-(高尾和成)*★
次の日、結局強制的に
真ちゃんに連れてかれて神社に行った。
浴衣なんかねーよって断ったら、
真ちゃんがオレの分まで
浴衣を持ってきたので借りた。
集合場所の神社の鳥居まで来ると、
人混みの中に見知った集団があった。
集団の中にくるみちゃんを見つけた。
淡いピンクの花柄の浴衣で
髪もアップにしていた。
その横で木村さんや大坪さんが
楽しそうに話していた。
なんだかちょっとムカついた。
でも、オレと真ちゃんが
手持ち無沙汰にしていると、
「高尾くん!緑間くん‼︎」
浴衣姿の篠崎さんが、
くるみちゃんの手を引いて、
オレらのトコに来た。
篠崎さんは水色の浴衣だった。
2つしか違わないのに
大人っぽくてよく似合っていた。
でも、篠崎さんよりも、
オレはくるみちゃんに目を奪われていた。
近くで見ると一段と可愛かった。
派手じゃない、
清楚でキレイな浴衣だった。
「2人とも浴衣すごい似合ってる!
ね、くるみ♪」
「は…はい。」
くるみちゃんは少し顔を赤くして、
俯いていた。
「いや〜篠崎さんとくるみちゃんには
負けますよ〜!」
あれ…?
オレ、篠崎さんと普通に話せてる…。
「ふたば〜?皆揃ったよ〜。
あ、高尾くんと緑間くんだ〜♪」
たぶん3年生か?
篠崎さんに話しかけてきたあと、
なぜかオレの隣に来た。
「み、緑間くん!行こう!」
「お、おい…」
そのまま2人は行ってしまった。
「おい!ふたば!」
宮地さんがオレらのトコロに来た。
「つか、なにやってんだよ?轢くぞ!」
宮地さんは篠崎さんを引き寄せた。
「なんで⁈もう。何怒ってるの?」
だーかーらー。
オレと話してたからだっつーの。
「あ、清志、浴衣着崩しすぎ!」
篠崎さんが手を伸ばし、
宮地さんの浴衣を直していた。
「しょーがねーだろ。
こんなん着慣れてねーんだから。
あ、もうあとは各自にしたから。」
「うん。ありがとね。」
「結局見せつけに来たんすか〜?
ブククッ。ラブラブっすね〜♪」
あれ?
オレ、やっぱり普通に話せる…。
前は2人を見るのもキツかったのに…。
それよりも気になるのは…