第7章 -失恋-(高尾和成)*★
それからはバスケに打ち込むことで
篠崎さんをだいぶ忘れられたけど、
前よりも宮地さんのトコに来るし、
視界に入ることが多くなった。
「清志!今日も自主練してくの?」
「おう。
遅くなるし、お前今日は帰ってろよ?」
「ううん。待ってる♪」
「……………数学だろ?」
「すごいっ‼︎なんでわかるの〜?
さすが清志♪課題一緒にやろっ。」
「一緒にって…。
ほとんどオレにやらすだろーが。
…しょうがねぇなぁ。」
…また見つけちまった。
部活後、体育館の脇で
つい篠崎さんを見つけてしまう。
恨むぜ〜…ホークアイ…。
「……わっ‼︎」
「うわぁぁぁっ⁈」
「ビックリした⁇」
「く…くるみちゃん?」
突然くるみちゃんが後ろから脅かしてきた。
くるみちゃんは
おかしいのを堪えるように
クスクス笑っていた。
「なんだよ、急に〜。ひでぇなぁ。」
「ね♪緑間くんは?まだ体育館?
今度は2人でおどかそうよ♪」
くるみちゃんはオレをひっぱり、
体育館の入り口の横に隠れた。
篠崎さんと宮地さんから離れられて、
オレはちょっとホッとしていた。
オレの前に立っているくるみちゃんは
小さくて可愛らしかった。
真ちゃんとお似合いだよな〜
なんとなく思っただけなのに、
なんか1人取り残されたように感じた。
「おっ♪来た来た♪」
自主練を終えた真ちゃんが、
汗を拭きながらこっちに来た。
「「わぁぁっ‼︎」」
「………っ⁈な、なんなのだよ⁈」
「ブハッ。真ちゃん…っ。
こんな時まで”なのだよ”って…
ブクククッ。」
オレは笑いをこらえられず、
大声で笑っていた。
「………。」
「ごめんね、緑間くん。
あのね、わたしが言い出したの。」
「………高尾。」
「ん?なん…ブハッ…
なんだよ、真ちゃん?」
「………明日からお前には
ノートは見せない。」
「えっ⁈それは困るって!
真ちゃ〜〜ん!」
真ちゃんはスタスタ歩いて
部室のほうへ行ってしまった。
くるみちゃんは苦笑いしながらも
楽しそうにオレたちを見ていた。