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〜Mint Candy Story〜

第7章 -失恋-(高尾和成)*★


「たーかーおーーーーっ‼︎」


「…っ⁈うわぁぁぁっ⁉︎」



夢の中の篠崎さんの声が、
いつのまにか古典の教師の
おっさんの声に変わっていた。


「ったく。お前はいつもいつも…」


「ふぁ…っ。すんませーん。
朝練で体力使いきってきましたー。」


「あくびなんかしてるんじゃない!
朝練は緑間もやってるじゃないか。」


ぺちんと頭をこずかれる。


「真ちゃんは別格ですよー。
頭もいいしー。
脳みそつまってるんです。」


「へりくつ言うんじゃない。
ほら、さっさと次読め。」


やべ…次ってどこかわかるかよ。


オレが焦っていると、
苦笑いしていたくるみちゃんが
読むトコロをこっそり教えてくれた。



助かった〜。
やっぱりくるみちゃん優しいなぁ。



くるみちゃんのおかげで、
どうにか古典の授業を乗り越えた。




「くるみちゃん!ありがとな〜。
マジ助かったわ。」


「ううん。
起こしてあげればよかったんだけど…
間に合わなくて…」


「起こす必要などない。
高尾が悪いのだよ。
だいたい美山も高尾に甘いのだよ。」


3人で話すと真ちゃんはだいたい
くるみちゃんの味方をする。


ま、今日のはオレが悪いんだけど。


「そんなこと言って、緑間くん、
後ろから高尾くんの肩ツンツンてして
起こそうとしてたじゃない?」


くるみちゃんが満面の笑みで
真ちゃんを見る。


「なになに〜?真ちゃん、
そんなにオレのこと心配だったの〜?」


「い…いびきが煩かったのだよ。」



オレと真ちゃんのやりとりを見て、
くるみちゃんは横で笑っていた。





失恋はやっぱ辛かったけど、
くるみちゃんや真ちゃんと
こんなやりとりしながら、
一緒にいると、
自然と辛い気持ちが和らいだ。



2人とも意識的にいつもより
一緒にいてくれたのかもしれない。



オレは気づかないふりをしてたけど、
2人の優しさに感謝していた。



失恋から完璧に立ち直ったら、
2人にお礼言わなきゃな。


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