第7章 -失恋-(高尾和成)*★
『うん。宮地清志。
一応レギュラーみたいなんだけど…』
『清志って宮地さん⁈
えっ⁈彼氏とかっすか?』
『まさか〜。ただの腐れ縁。
家が隣同士なの。』
ほっ…。彼氏じゃねぇのか…。
つか、オレなんで安心してんだ…?
『へぇ。仲いいんすね。
家隣同士で高校も同じなんて。』
『う〜ん…悪くはないけど…。』
篠崎さんは苦笑いをしていた。
『…けど?』
『ううん。なんでもないよ。
バスケ部なら試合とかたまに見に行くから、
高尾くんのプレイも見れるかな?
がんばってね。』
ニッコリして篠崎さんが言った。
一目惚れってあるんだな…
その時のオレは、
冷静にそんなことを考えていた。
それ以来、委員会もちゃんと出た。
何より、昼休みの保健室当番が
待ち遠しかった。
会うたびに篠崎さんと色々話し、
篠崎さんの色々な表情を見た。
オレはますます好きになった。
いろんなこと話したよなぁ…
部活のこと…
好きな映画のこと…
好きなお菓子、好きな音楽…
オレがレギュラーになった時も
すげぇ喜んでくれた。
目を閉じればいろんな表情の
かわいい篠崎さんの笑顔が思い浮かぶ。
『高尾くん!』
オレを呼ぶ
篠崎さんの声が聞こえる…
高尾…
高尾…っ
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