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〜Mint Candy Story〜

第7章 -失恋-(高尾和成)*★


「なんで付き合っちゃうんだよー⁈
つか、いつのまにー⁈」


朝練のあと、教室に戻り、
真ちゃんの机に突っ伏してオレは叫んだ。



「高尾、煩いのだよ。
あと、邪魔なのだよ。」


真ちゃんの席はオレの後ろ。
オレは後ろを向いて座り、
真ちゃんの机を独占していた。


「真ちゃん、冷てぇ。
つか、くるみちゃん知ってたんだろ?」


オレは机に突っ伏したまま
くるみちゃんのほうに視線を向ける。



くるみちゃんは、
真ちゃんの中学からの知り合い。

真ちゃんとは
たまに話すくらいだったみたいだけど、
席替えでオレの隣になって、
よく3人で話すようになって、
よく3人でつるむようになった。


オレが真ちゃんを茶化して、
真ちゃんをなぐさめて
オレを叱るのがくるみちゃん。


くるみちゃんは
ミーハーな感じがなくて、
オレにも真ちゃんにも
変な特別扱いをしないし、
居心地がいい。


でもって、くるみちゃんは、
篠崎さんのテニス部の後輩だった。


「…ごめんなさい。
言うか迷ったんだけど…
わたしから言うのもなんか…。」


「美山は悪くないのだよ。
だいたい宮地さんに彼女ができれば、
すぐ噂も広まるのだよ。」


風車をフゥ〜っと回しながら
真ちゃんが言った。


そいえば今日のラッキーアイテムは
風車だったな。



「だよだようっせーよー真ちゃん〜。
わかってるよ〜。」



わかってるけど、わかんない。
行き場のないやるせないこの気持ち。




「は〜ぁ。新しい恋でも探すかぁ。」


「…っ⁈」


「くるみちゃん?どした?」


オレのことばに
くるみちゃんが反応したように感じた。


「う…ううん。なんでもないよ。」



慌てるくるみちゃんを
ジッと見ている真ちゃんがいた。




真ちゃん…?




授業が始まっても、
全然集中できなくて、
ボーッとしたままだった。


まぁ、普段から
授業はたいして聞いてねーんだけど。


1時間目から古典の授業…
眠いったらありゃしない。


オレは先生の読むお経のような
枕草子を聞きながら、
篠崎さんに初めて会った時のことを
思い出していた。

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