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〜Mint Candy Story〜

第7章 -失恋-(高尾和成)*★


お……っ♪



「しっのざっきさーーん♪」



朝練に向かう途中、
篠崎さんを見つけてオレは駈け寄った。
隣に宮地さんがいるのが
ちょっと邪魔だけど、
幼なじみだしいつものことだ。




そう思ってたのに、
今日は1つだけいつもと違った。



「…っ⁈高尾くん⁈お、おはよっ。」



篠崎さんは、
慌てて宮地さんの手を放した。




「おいっ。なんで放すんだよ⁈
轢くぞっ‼︎だいたいなぁ、高尾!
先輩は無視かよ⁈おめぇも刺すぞ!」


「あ!おはようございますっ!」



相変わらず物騒な先輩から、
意外なことばが出た。



”なんで放すんだよ⁈”



てか、まず、
なんで手なんか繋いでるんだよ⁈




「だって…‼︎てゆぅか、普通逆じゃない?
こういう時って、
男のコのほうが照れて手放して、
女のコがスネるんだよ?」


「こいつの前ではいいんだよ。
高尾…そういうことだから。」


宮地さんは牽制するようにオレを睨み、
また篠崎さんの手を取った。




「…?ちょっ…清志っ?」



篠崎さんは、
宮地さんの視線の意味と、
オレの前で
わざわざ手を繋いだことの意味を
理解していないようだった。



そうだよな。
オレの気持ちなんか
まったく気づいてなかったし、
宮地さんの気持ちにも
気づいてなかったもんな…。


オレは篠崎さんばかり見ていたから、
篠崎さんの視線の先にも気づいてたし、
宮地さんの視線の先にも気づいてた。






知らぬは本人たちばかり…。






それでも好きと思ったら、
簡単に諦められるわけでもねぇし、
2人は付き合ってるわけじゃねぇから、
まだ望みはあると思ってた。



なのに…




なのに…

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