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〜Mint Candy Story〜

第5章 -彼女-(若松孝輔)


「やめろっ‼︎」



オレは我慢できず、
気がついたら今吉さんたちの前に来て、
今吉さんからすみれを引き離した。


「孝…ちゃん…?」


「すみれはオレんだ‼︎触んな‼︎
今吉さんでもやっぱ我慢できねぇ‼︎」


「あ〜あ。えぇトコやったのにな。」


「すごーい♡ほんとに来たね♪」


「せやろ?」


な…なんなんだ?


相手の女のテンションが急に変わった。


今吉さんもさっきと違う。


「今吉…?どういうこと?」


「そういうこっちゃ。
一芝居打ってたってトコやな。
この子はただの友達や。
告白されてもないし
つきまとわれてもない。」


「そこまで言ってたの〜?
今吉くんにつきまとう
勇気なんかないって(笑)」


「なにそれ?今吉っ!
騙したの⁈なんでそんなこと…⁈」


「なんでってそりゃ…。
可愛い後輩のためやんか。
騙したなんて人聞きの悪い…。
なぁ、若松〜?」


今吉さんがオレのほうを向いた。


「な…なんのことっすか?」


「自分、まだとぼけるんか?」


「オレは…。い、行くぞっ!」



オレは今吉さんの質問には答えず、
そのまますみれの手を引いて店を出た。





「これでよかったの〜?」


「なんのことや?」


「とぼけてるのはどっちよ?
あの男のコが出てこなかったら、
本当にキスしてたでしょ?」


「さぁなぁ?どやろ?」


「今吉くん、本気であのコの…」


「んなわけあるかい。
だいたいなぁ、
他の男見てる女なんか興味ないわ。」
(いくら噂では付き合うとっても…
若松入ってきたら
答えなんてすぐわかっとったわ。
オレが諦めるためにも…
こうするのが1番よかったんや。)


「ふ〜ん…わたしの読み違いかぁ…」









その頃オレはすみれをチャリに乗せて、
ビュンビュン飛ばして漕いでいた。



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