• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第5章 -彼女-(若松孝輔)


その日から前よりも
すみれと帰るようになった。


すみれと帰るようになって、
バスケの調子も
よくなってる気がする。



なのに…



なのに、なのに…!!
オレの調子をガタ落ちさせることが
起こった…。






「頼むわ〜。このとぉりや。」



部活前、体育館にすみれが来ていた。
そしてなぜか、
今吉さんがすみれに頭を下げていた。


「…しょうがないなぁ。
でも、なんか騙すみたいでヤダなぁ。」


「噂をちぃっと利用するだけや。
黙って横にいてくれればええから。
悪いな。よろしゅう頼むわ。」


「明日のお昼、おごってよね?」


「おう。まかしとき♪」


そう言うと今吉さんは
監督の所へ行ってしまった。


「なんの話だよ?」


今吉さんが行ったのを見計らって、
オレはすみれに話しかけた。


「あ〜なんかね、今吉が
彼女のふりしてほしいって。」


「はぁ⁈なんだよ、それ⁉︎」


「若松〜!うっせぇぞ!」


諏佐さんのツッコミは無視した。


「今吉が他校の女のコに告白されて、
彼女いるって断ったらしいんだけど、
そしたら、彼女見ないと諦められない!
ってつきまとわれてるらしくて…
それで…代役?」


「そんなの‼︎そんなの断れよ‼︎」


「え?だから、今吉も断ったけど、
相手がしつこくて…」


「あのなぁ‼︎今吉さんじゃねぇよ!
お前だよ!」


「うん…でも…」


「もう知らねぇっ!
もうそのまま今吉さんの
彼女になりゃいいだろ⁈」


「ちょ…孝ちゃん…?」


オレはそのまますみれを無視して
コートに入った。



その日のオレの調子は最悪だった。



/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp