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〜Mint Candy Story〜

第4章 -素直-(笠松幸男)★


「……っ‼︎」


清瀬は一瞬ビクッとした。
やっぱりキツく言い過ぎたか…。



「笠松は…?」


「…?なんだよ?」


「笠松と今…一緒にいるのは…
危なくないの?」


「な…っ⁈オレは…その…っ。」



やべぇ…。
こいつ、何言ってんだ⁈



なんで急にこんなこと…⁈



清瀬はオレの向かいに立ったまま、
ジッとオレのことを見つめていた。




本当は清瀬を抱きしめたい。
さっきだって、
本当は放したくなかった。


いつからだろう?
清瀬が他の奴と話してるのを見るのが、
嫌だったのは…。


いつからだろう?
少しずつ…自分からも
清瀬に話しかけるようになったのは…。


たぶん…1年の時から…
あの自己紹介を聞いて、
隣に清瀬が戻ってきて、
ニコッと笑ってくれたあの時から…



オレは清瀬に惚れていた。





オレはもう衝動を抑えられなかった。



気づいたら、立ち上がり、
オレは清瀬を抱きしめていた。



「か…笠松…⁈」


「お…おめぇが悪いんだからな。
変なこと聞くから…。」


オレは清瀬を抱きしめる腕に
さらに力を込める。


「悪くてもいいよ。
笠松がこうやって…
抱きしめてくれるなら…。」


「な…っ⁈」


「好き…。
ずっと…1年の頃から…
笠松のこと…好き。」


…っ⁈


マジかよ…っ⁈


つか、先に言わせちゃったな。



「オレも…」


「え…?」


清瀬は顔をあげてオレを見てきた。


アホかっ。
このタイミングで顔あげんなよ…。


オレはもう精一杯の勇気を振り絞り、
清瀬を見つめた。


「先に言うな。
オレもずっと好きだった。
付き合ってくれ。」



オレはやっとそれだけ言って、
顔を見られるのが恥ずかしいので、
もう一度清瀬を抱き寄せた。




「うん。」




清瀬はオレの腕の中で、
ゆっくりうなずいてくれた。



苦手意識を持ったまま
拒否し続けるのではなく、
ちょっとだけ素直に正直になったら、
オレはずっと好きだった清瀬と
両想いだったことがわかった。



そのキッカケがあいつらだと思うと、
ちょっと変な感じだが、
今回だけは…
感謝してもいいのかもしれないな。


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