第46章 -大人-(虹村修造)
修造くんの言う意味がよくわからない。
二の腕見え過ぎって…
案に太いって言いたいの…?
「アホかっ!んなの、わかってるっつーの。」
「イタッ…ひどーい!」
修造くんお得意のデコピンをされてしまい、
理不尽なデコピンに修造くんを見上げて、
拗ねてしまう。
はぁ…またお子さまだって呆れられる…
「腕とか脇らへんがエロいんだよ!
気付け、アホ‼︎」
……え?
「普通のノースリーブだよ?
葵さんだって、ノースリーブだったもん。」
前屈みになって胸元が見えないように、
インナーはチューブトップにしたし、
黒だから、ブラも透けないし…。
タイトスカートだけど、ミニではない。
理不尽な修造くんのことばに反論すると、
修造くんはまたため息をついて、
ことばを続けた。
「あの人は、林の彼女だろ?
他の奴もそんな目で見てねーよ。
けど、オマエはあの中で一番若けぇし、
なんつぅか…」
「…なぁに?」
ちょっと不機嫌な声で言ってしまい、
少しだけ後悔したけど、もう遅い。
文句があるなら、ハッキリ言ってほしい…
「男は見てんだよ、そーゆーの。
ガッツリ見えてなくても
見えそうで見えないとかだな…」
「ちらリズムってヤツ?」
「…わかってんじゃねぇか。」
「え?そりゃ、ちらリズムはわかるけど…
パンチラとかでしょ?
別にほんとに普通の服だよ?」
腕を伸ばして見てみるけど、
やっぱり下着だって見えないし、
修造くんの言う"エロい"はよくわからない。
「…だからぁ‼︎」
「…っ⁈きゃっ…」
業を煮やしたように
青筋立てて怒った修造くんが、
突然ベッドの下に降りて座り直し、
わたしの手を引っ張った。
気がつけば、
わたしは修造くんの腕の中にいた。
いつもと変わらない修造くんの匂いに
微かにお酒の匂いが混ざっている。
「エロいって、
胸とかケツとかだけじゃねーんだよ。
わかってんのか?」
「ちょっ…⁈」
修造くんは、わたしを抱き締めたまま、
そのまま、二の腕を撫で始めた。
息遣いも目つきもいつもと違って…
こんな修造くん…見たことない。