第4章 -素直-(笠松幸男)★
清瀬はあったかかった。
あったかくて柔らかい…。
それに…ちょっと…
む…胸も当たっている気がする。
制服だから、スカート短いし、
太ももとか尻も…
つか、無防備すぎるだろ…。
「ゴメンね…。ありがとう。」
清瀬はオレから離れた。
長かったような短かったような…
オレはよくわからなかったが、
そろそろ限界だった。
「お…おうっ!
だ…大丈夫なのかよ⁈」
そう言うのがやっとだった。
顔を見られたくなくて、
つい、顔をそむけてしまう。
「うん。
黄瀬くんたちにハメられちゃったねー。」
清瀬は苦笑いしている。
「おめぇ、なんでココ来たんだよ?」
オレは近くの平均台に座り直した。
清瀬は向かいにあった
マットに座っている。
「かさ…バスケ部観てたんだけど、
休憩の時に黄瀬くんに
終わったら体育倉庫に来てほしいって
言われてて…。」
黄瀬のヤローっ。
あいつぜってぇしばくっ‼︎
「それだけか?
なんの話だったんだよ?」
「よくわかんないけど…
笠松のことで相談があるって…。」
「オレのこと…?」
「黄瀬くんが…
最近笠松が調子悪そう…とか、
元気ないって…。
そういえば教室でも、
最近話すの減ったなって思ったし…。」
あ…アホかっ。
おめぇと話すの減ってるのは、
オレが緊張してっからだっつーの。
オレだってもっと話したいんだよ…。
つか、そんな減ったつもりねーぞ…。