第39章 -映画-(宮地清志)
〜恋してラビリンス〜
高3の檜原すみれ(みゆみゆ)は可もなく不可もなくな女のコ。
サッカー部の幼なじみ宮部悠馬(結城海斗)のコトが好きだが、モテる悠馬に対してどんどん積極的になれなくなってきている。
4月…高校生活最後の1年が始まり、すみれはサッカー部の村木にマネージャーを頼まれる。村木とは悠馬繋がりで仲良くしていて、すみれにとっては、1番話しやすい男子だ。
サッカー部は、他にも大柄で一瞬怖そうだけど丁寧で優しい小坪主将に、1年ルーキーのイケメンなのにおは朝好きの黄緑間にムードメーカーのイケメン尾高、それに悠馬の弟の2年の悠也がいた。
そんなサッカー部のマネージャーを引き受け、ドジをしながらも、一生懸命頑張り、サッカー部を支えていく。
その姿に少しずつ惹かれ始める面々…
「よっ。だいぶ慣れてきたな。」
村木は部室裏の水道でボトルを洗ってるすみれに声を掛けた。
「村木くん!うーん…でも、まだまだだよ。仕事遅いし。」
すみれは苦笑いしてこたえる。
「マネージャー…イヤだったか?悪いな。オレが無理矢理頼んだから。」
「ううん!むしろ、ありがとうだよ‼︎わたし、今すごい楽しいの!村木くんに感謝だね!」
「(ドキッ…)」
ニコッと微笑むすみれに思わず顔を赤くする村木…
「なぁ、檜原…」
「なぁに?」
キョトンと首を傾げるすみれ…
「オレ…おまえのコト、好きだ!」
ギュ…。
「村木くん⁈」
「あ…わりぃ…」
村木はゆっくりすみれから離れる。
「でも…本気だから!考えといて。」
そう言うと村木は意志の強い目ですみれを見つめてから、その場を去って行った。
「え…?え…?ウソ…でしょ…」
その場で立ち尽くすすみれ…
「マジかよ…」
実はその様子を水道の少し手前で、顔を洗おうと水道に向かっていた悠馬が見ていた…