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〜Mint Candy Story〜

第38章 -再会-(青峰大輝)


「あ…青峰くん⁈あの…」


「下の名前なんてゆーの?」


背の高い青峰くんは、
視線をわたしに合わせるために、
グイッとかがんできた。


「え⁈な…なんで…?」


ち…近いっ…‼︎
なんでそんなこと聞くの?
しかもこんな近くで…⁈


「いいから教えろよ。
檜原せ〜んぱい。」


…っ⁈


青峰くんが顔を近づけてきたので、
思わず目をキュッと閉じて顔を背けると、
青峰くんは耳元で意地悪く囁いてきた。


「……すみれ」


「ふぅん…可愛いじゃん。
つぅか、名前聞いただけなのに、
耳まで真っ赤だぜ?」


耳元で囁かれ、
不覚にもぞくっとしてしまい、
思わず名前を言ってしまうと、
青峰くんはわたしの肩あたりの
髪をイタズラにクルクルし始めた。


「なぁ?
オレのこと…覚えてんだろ?」


…っ⁈⁈



え…⁈それって…?


「ほら…その顔…」


わたしは恥ずかしくて、
青峰くんから目をそらすのに、
青峰くんはそれを許してくれない。


横を向いても下を向いても、
青峰くんはわたしを逃がさず、
ジッとわたしの目を見つめてくる。


「さっきデスクんトコで会った時も…
その顔してた…」


…⁈


意地悪な顔から急に優しい顔になり、
青峰くんはわたしの頬を撫でた。


「…オレの自惚れじゃねーよな?」


質問してるくせに、
”NO”とは言わせない力強い口調…




やっぱり王子さまは意地悪だ…




恥ずかしいけど…
意地悪な王子さまにもう降参…





「覚えて…る…」


わたしは青峰くんの目を
ジッと見つめ返して小さな声で告げた。


「…っ⁈(やべ…っ…嬉しい…)」


…?


「青峰くん…?」


あんなに強気で、
今もまだ壁ドンしてるくせに、
青峰くんは急に黙って、
上を向いてしまった。


上を向かれると
青峰くんの表情がわからない。


「青峰くん?青峰くんてば…」


「うっせぇ!」


…ギュ。


…っ⁈⁈


「あ…あの…」


「ずっと…こうやって…
あんたと話したかった。」


「え…?」


わたしと…同じように…
思っていてくれたの…?


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