第38章 -再会-(青峰大輝)
-Pattern2-
4月…また新年度が始まる。
異動もないし、昨日までと何も変わらないのだけど、なんとなく心機一転、晴れやかな気持ち。
すっかり慣れた人混みの乗り換え…
でも、4ヶ月前のあの日から…
ついしてしまうコトがある。
気付いたら、
あの男のコを目で探す自分がいた。
朝の人混みの中で大きな彼を探す。
すごい遠くでも、
彼の姿を見つけるだけで、
胸が高鳴った。
でも、3月からは、
パッタリ見なくなってしまった。
3年生だったのかな…。
大きなコだったから、
それだけで存在感あるけど、
制服はかなり目印だったのにな…。
高校を卒業したってことは、
大学に進学したか就職…してるよね…
わたしの駅の王子さま…
って‼︎
いつまで夢見てんだ、わたし⁈⁈
そんな1度ぶつかっただけの…
しかもかなり年下の男のコと、
どうこうなるなんてありえない。
今日から新入社員も入るんだし…
夢見てないで、しっかりしなきゃ‼︎
再会なんて…あるわけない。