第38章 -再会-(青峰大輝)
「うめぇ‼︎」
マジバの照り焼きより、
なんつぅか肉がやわらけぇ。
「ふふ…よかった!」
すみれはハンバーガーに
かぶりつかず、プレートの上で
ナイフとフォークを使って
上品に食べていたが、
オレは構わず、
そのままかぶりついていた。
「ふふ…ほんとに
美味しそうに食べるね。
うん!豪快でいい!
やっぱり高校生の男のコは違うね。」
気がついたら、
すみれはナイフとフォークを置き、
オレを見ていた。
「…っ⁈見てんじゃねーよ。
つぅか、そんな食べ方じゃ、
ハンバーガー食った気しねぇだろ?」
「え…?」
すみれはキョトンとして、
オレと自分のハンバーガーを
見比べていた。
「ふふ…そうだね。
いつのまにか女らしく…とか、
お上品に…とか意識して、
そうやってかぶりつかなく
なっちゃってたな。」
そう言ったすみれは、
なぜだか少し淋しそうに笑いながら、
ポテトを1つつまんだ。
オレはジッとすみれを見てから、
照り焼きバーガーを
すみれに向かって差し出した。
「ん!…やるよ。」
「え…?あの…このままじゃ…」
当然といや、当然か。
すみれはかなりテンパって、
ハンバーガーを食べようとしなかった。
「なに?かぶりつけねぇって
気にしてんの?」
「あ…えっと…」
「じゃ、間接キスになる…
とか、思ってんの?」
「な…っ⁈」
くくっ…図星か…。
すみれは真っ赤になっていた。
「別にキスくらい
どぉってことねぇだろ?」
「そ、そういう問題じゃなくて‼︎
今日会ったばっかりで…
食べかけとか…あの…」
…‼︎
オレからしたら、
今日会ったばっかじゃねぇんだけどな…
「はぁ…じゃ、こっちの
口付けてねぇほうから食えばいいだろ?」
少し向きを変えて、
ハンバーガーをすみれの口の前に出す。
「〜〜〜っ⁈」
それでも、すみれはまだ固まっていたが、
オレがずっと差し出しているからか、
ようやく一口食べた。
「美味しいっ‼︎」
「だろ?」
…♪
「なぁ?口の横、付いてんぞ?」
「えっ⁈」
…ペロッ
「ちょっ…⁈」
オレはすみれの口元に付いた
ソースを舐め取った。