第3章 -理性-(宮地清志)*★
「そんなに…わたしダメかな…」
は…⁈
わ、わけわかんねぇ。
なに言ってんだよ…
「な…⁈おまえ、何言ってんだよ?
おかしいぞ?
着替え忘れたなら、貸してやっから。」
オレは適当にTシャツを出して、
ふたばに渡そうとした…が、
バスタオル1枚のふたばに
オレは近づけなかった。
「わたしも…一応女のコだよ?
女のコが…目の前で…
バスタオル1枚なのに…
それでも、清志は見たいな…とか、
触りたいな…とか思わないの?」
ふたばがオレに1歩近づいた。
「それとも、ふたばだからダメなの?」
ふたばはガキの頃のように、
自分のことを「ふたば」と言った。
オレと2人だとたまにそうなる。
「はぁ?お前、さっきからおかしいぞ?
ほら、服着てこいって。」
オレはやっとの思いでTシャツを渡す。
うぁーっ。
こっちだって限界だっつぅの。
マジで轢くっ!
…っ⁈
オレが理性と戦っていると、
ふたばは目に涙を浮かべていた。
「ほんとに…ふたばに興味ないんだ…」
「おま…っ⁈今日の聞いてたのか⁈」
やっべぇ…。
どっから聞かれてたんだ…?