第3章 -理性-(宮地清志)*★
はぁ…腹がたつ1日だ。
部活前の相田と佐川の会話…
それだけでも胸くそわりぃのに、
休憩中に高尾が
ふたばに絡んでいるのが目についた。
あれ…ふたばか…?
「ふた…」
「あ♪しっのざっきさーーん♪♪」
オレがふたばに声を掛けようとした時、
デカい声で高尾がふたばを呼んだ。
委員会かなんかが一緒なのと、
オレ繋がりでたまに話すと、
前にふたばが言っていた。
「高尾くん。ちょっ…声大きいよ。
元気だなぁ。どぉしたの?」
「篠崎さんのテニスウェア姿、
近くで見たいなーって思ってー。
制服もいいっすけど、
テニスウェアも似合いますね。
なー、真ちゃん!」
「オレは別に…興味ないのだよ。」
「ギャハハッ。
真ちゃん、照れてやんのー!」
「高尾くんっ!もぉ。
緑間くんイジメないの。
2人のユニフォーム姿のほうが
ステキだよ。
あ、わたしそろそろ戻らなきゃ。
………きゃっ。」
あ…っ!
ふたばが段差でつまずいた。
だが、オレが気づいても遠すぎた。
「あっ。大丈夫っすか?」
「あ、うん。ゴメンね。」
「そんなトコでつまずく
篠崎さんも可愛いなぁ。」
「高尾くんっ!
もう大丈夫だから〜。放して…?」
「あれ?忘れてた…(笑)
篠崎さん、気持ちいいんだもん。」
高尾はつまずいたふたばを支えて、
抱きしめていた。
その前の会話も腹たつのに…。
あーマジ高尾は轢く!
木村の軽トラで!
3往復くらいしてやる…っ。
けど、高尾よりも…ふたばのヤツ…
オレのこと避けたか?
いつもならオレが近くにいたら、
なんだかんだで話しかけてくる。
気づいてなかったのか…?