第3章 -理性-(宮地清志)*★
部活前…
明日の小テストのテキストを忘れ、
オレは教室に戻った。
ガラッ…。
「つか、篠崎さ、意外じゃね?
あいつ、あんなスタイルよかったか?」
「あぁ。今日プールの時だろ?
胸けっこうあったよなー。」
篠崎…?
こいつらふたばの話してるのか?
「あれ?宮地じゃん。部活は〜?」
「あー?忘れもん〜」
オレは机からテキストを取り出す。
「そういや、宮地って
篠崎と幼なじみだったよな?
付き合ってんの?」
「はぁ?なんでそうなんだよ?」
”幼なじみ”ってだけで、
ほとんどの奴はオレたちが
付き合ってると思ってる。
”幼なじみ”が簡単に付き合えたら、
苦労しねーっつぅの。
「いーよなー。
あいつ、急に女っぽくなっただろ?
ヤッたのかなー?」
はぁ⁈
「宮地って見たことあるのー?」
「…何をだよ?」
「だからー。篠崎の裸とか?」
「はっは〜…お前ら轢くぞ?
なんでオレがあいつの裸なんか…。
だいたいガキの頃から知ってるし、
興味ねぇよ。」
「なんでだよ?
篠崎、最近人気あるし、
今日のプールだってけっこうわざと
篠崎のほう行く奴いたぞ?」
はぁ⁈
それこそ轢くぞ。誰だよ⁈
「ふーん。
ま、あいつもモテてんなら
いーんじゃねぇの?
オレには関係ねぇよ。」
ガラッ…バンッッッ!!
オレは力を込めてドアを閉め、
体育館に向かった。
いつからいたのか…
教室の前にふたばがいたことに
オレはまったく気づいてなかった。