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〜Mint Candy Story〜

第31章 -電車-(青峰大輝)[前編]


-すみれside-


駅員さんにとんでもない誤解をされ、
わたしとそのガン黒男は、
とりあえず電車を降りた。


お…大きい…。


大きい人見るの久々かも。
中学の時は試合に行くと
たくさんいたけど、
こんなに大きい人はマレだった。


思わず横にいるけだるそうな
ガン黒”大”男を見上げてしまう。


てゆぅか…今時ガン黒って…
ん?あれ?でも…中学の時…?


「何見てんだよ?」


何か思い出しそうだったのに‼︎


「見てないー!
てゆぅか、ココどこ?」


「あ⁈オレに聞くなよ。」


電車を降りた駅は、
見たことも降りたこともない駅で…


「もう‼︎頼りになんないなー!」


「うっせぇよ‼︎」


ガン黒大男のことばは無視して、
ホームの駅名の看板を見た。


ガン黒大男も横で一緒に見ていた。


…⁈


「「小田原ぁ⁈」」


ガン黒大男とハモってしまった。


って、神奈川じゃん‼︎


箱根すぐじゃん‼︎


温泉行けちゃうじゃん‼︎


第○新東京市だよ‼︎


「…温泉行けんじゃねーかよ。」


「…⁈あはは…っ‼︎」


今の一言で、
ガン黒大男だけど、
なんだか可愛くなってきて、
笑いが止まらなくなってしまった。


「あ⁈なんだよ⁈」


「わたしも同じこと思ったから!
あとエ○ァ‼︎」


「はぁ⁈」


呆れたように
大きくため息をつかれてしまったけど、
怖くもなんともない。


「温泉行きたいけど…
とりあえず帰ろうか。」


「は?」


「は…って?帰らないの?」


わたしはガン黒大男を見つめた。


「一緒に帰んのか?」


む…‼︎


「…イヤならいいよ。
ごめんね、引き止めて。」


なんかヤな感じ‼︎
せっかくちょっと話せたし、
こんな知らないトコから、
1人で帰るのもちょっと不安だし…
勇気を出して言ってみたのに‼︎


もう知らない‼︎


わたしはガン黒大男に背を向けて、
歩き出した。


「…⁈おい‼︎待てって…!」


「さよーなら!」


「…いいけど。
おまえ、温泉行く気かよ?
そっち、さらに進むぞ。」


…っ⁈


は…恥ずかしいっ‼︎


「しょーがねーから、
一緒に帰ってやるよ。」


むぅ…。
なんか釈然としない。


でも、結局このガン黒大男と
一緒に帰ることになった。


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