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〜Mint Candy Story〜

第31章 -電車-(青峰大輝)[前編]


叫んでいたのは、
オレが乗った時に先に座っていた
小柄な女だった。


「手‼︎どこ触ってんのよ⁈変態!痴漢!
駅員さん呼ぶわよ⁈」


「はぁ⁈」


そこまで言われ、やっと気づいた。


ギュッとしていたのは、
この女の腕で、
オレの手はこいつの太ももの上にあった。


「そんくらいで
痴漢呼ばわりしてんじゃねーよ。
…ったく、ガキかよ⁈」


ゆっくり腕をはなしたが、
腕に温もりが残っていた。


「…っ⁈はぁ⁈
自分のしたコト棚に上げるの⁈
だいたい腕まで組んできて…」


…。
まぁ…たしかに気持ちよかったよな。
こいつの胸…けっこう柔らかかったし。


「てめぇこそ、
オレにもたれてたじゃねーか!」


「…っ⁈そ…それは…‼︎」


「すみません、この電車、
車庫に入りますので…」


「「…⁈」」


女が何か言い返そうとした瞬間、
呆れたようにオレらを見ている
駅員が声を掛けてきた。


「恋人同士の痴話喧嘩は、
外でするように。」


「ち…ちが…‼︎」
「ちげぇ…‼︎」


オレらの否定のことばは聞かずに
言いたいことを言った駅員は
そのまま行ってしまった。






つぅか…ココ…どこだよ⁈



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