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〜Mint Candy Story〜

第30章 -緊張-(宮地清志)


あっというまに
買い出しも終わっちゃったな…


宮地先輩が
荷物を持っているのもあるけど、
なんとなく足取りが重くなる。


戻りたくない…な。


ぜんぜんうまく話せないのに、
気がついたら、
少しでも宮地先輩と2人でいたいという
欲張りな気持ちで溢れていた。


「つぅか、裕也も人使い荒いよな。」


宮地先輩がグイッと腕をあげ、
袋を持ち直した。


「あの‼︎やっぱりわたしも…‼︎」


「だから、いいって!」


「…すみません。わたしのせいで…」


裕也先輩、絶対わざと…
わたしと宮地先輩を
2人にするために、こんな…


「あ⁈なんでおまえのせいなんだよ?」


宮地先輩が
わたしの目を見て聞いてきた。


「それは…あの…」


「ま、別にいいけど…。」


宮地先輩はまた黙ってしまった。


でも、歩き続けているから、
当たり前だけど、
学校が近づいてきていた。


「あ…あの‼︎宮地先輩っ‼︎」


わたしは学校の少し手前で立ち止まり、
宮地先輩を呼び止めた。


きっと今日を逃したら…
もう宮地先輩と
こんなに話す機会はない。


「ん?なんだよ?」


「あの…ごめんなさいっ!買い出し…
やっぱりわたしのせいなんですっ‼︎」


「はぁ⁈」


「わ…わたしが…宮地先輩となかなか…
話せないから…裕也先輩が…」


ど…どうしよう⁈


「…?よくわかんねーけど…
おまえ、オレのコト苦手だもんな。」


「え…?」


「彼氏じゃねーのかもしんねーけど、
おまえ、裕也と行きたかったんだろ?
あいつも素直じゃねーかんなぁ。」


「ち…ちが…」


なんで…?


そうじゃ…ない。


「おまえ、オレと話す時だけ、
やたら固いだろ?
ま、オレも口わりぃし、
怖がられてんだろうなーとは、
思ってたけどさ。
裕也も口わりぃけど…」


わたしが固まっているからか、
宮地先輩がいつもより
よく喋る気がした。


「悪かったな。
さっき…ムリヤリ手繋いだりして。
裕也には黙っとくから。」


「ち…違いますっ‼︎」


わたしは初めて、
宮地先輩の前で大きな声を出した。



「…すみれ?」


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