• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第30章 -緊張-(宮地清志)


「好き…なんです。」


「…っ⁈」


「み…宮地先輩が…好きなんです!」


宮地先輩がビックリしたような顔をして、
わたしを見下ろしていた。


「おまえ…オレのコト、
苦手だったんじゃねーの?」


「苦手じゃ…。
あの…緊張…しちゃって…」


「はぁ⁈」


宮地先輩はビックリを通り越して、
半分呆れたような顔をして、
わたしの顔をマジマジと見ていた。


「す…好き…だから…
宮地先輩の前に行くと、
緊張して、目も見れないし…
うまく話せなくて…。
そしたら、裕也先輩には…あの…
わたしの気持ち…すぐバレてて…」


「はぁ…。
(なるほど…な。あいつ…轢く!)」


どぉしよう…
気持ち…伝えたのはいいけど…
宮地先輩、ため息ついてる…。


「あ…だから…手…繋いでくれたのも、
イヤじゃなくて…むしろ嬉しくて…」


「おい…すみれ。」


「は…はい。」


今までわたしの話を
聞いているだけだった宮地先輩が、
突然話し掛けてきた。


「…おまえ、コレ、持て!」


「え⁈」


宮地先輩は、持っていた袋を1つ、
わたしに持たせた。


「うわ…っ…重…た……⁈⁈」


ギュ…。


宮地先輩は、わたしに
荷物を持たせると同時に、
そのまま空いたほうの手で、
わたしを抱き締めていた。


「…⁈宮地先輩⁈」


なんで抱き締めてくれてるの⁈


「おまえ、さっき、”持つ”っつったろ?」


「い…言いましたけど…あの…⁈」




…チュ。




…っ⁈え…今…??


「手ふさがってたら…
キスしにくいっつーの。」


「え…?あ…あの…⁈」


こ…ことばが出てこない。


キス?宮地先輩が⁈わたしに…⁈


「オレ…おまえに嫌われてるって
ずっと思ってたんだけど?」


「な…⁈そんなわけ…」


「さっきも言ったけど、
おまえ、オレにだけ態度違いすぎるし。」


「そ…それは…‼︎す…すみません。」


「諦めようと思ってたんだからな。」


「え…⁇」


宮地先輩のまさかのことば…
それって…⁈


「オレもずっとおまえのコト…
好きだったんだけど…?」


宮地先輩はそう言うと、
わたしを抱き締めていた手をはなし、
その手で、
わたしの空いているほうの手を
ギュッと握って歩き出した。



---End---

/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp