第30章 -緊張-(宮地清志)
「おぉ…頑張ってるようだな。」
「よう。相変わらずうるさいな。」
「高尾ー!少しは落ち着けよ。轢くぞ!」
大坪先輩が皆に声を掛けたあと、
木村先輩と宮地先輩が
高尾くんに突っ込む。
なんだか懐かしいな。
「兄キ、おせーよ。」
「ゆ…裕也先輩⁈ちょっ…‼︎
はなしてくださいーっ‼︎」
もう‼︎
さっきは応援してくれてる風だったのに‼︎
わたしを引き連れていた裕也先輩は、
突然後ろからくっついてきた。
裕也先輩はたまに宮地先輩の前で
こういうコトをする。
ただでさえ、恥ずかしいのに‼︎
よりによって、宮地先輩の前で‼︎
「お、お久しぶりですっ!」
わたしは裕也先輩から離れ、
大坪先輩たちのほうへ行った。
「おぉ…すみれか⁈」
「なんか女っぽくなったか〜(笑)?」
「な…なに言ってるんですか⁈
変わるわけないじゃないですかっ‼︎」
大坪先輩と木村先輩にからかわれた。
2人とも、すぐわたしをからかう。
…‼︎
「あ…宮地先輩も…お久しぶり…です!」
「…おぉ。」
よかった‼︎宮地先輩と話せたぁ!
それだけなのに、
わたしはめちゃくちゃ嬉しかった。
「あ、そういや、すみれ!
スポドリ、もうなかったよな⁈」
「はい。今日、部活終わりに
買いに行く予定です。」
急に裕也先輩が真面目に聞いてきた。
どうしたんだろ?
そのこと、
部活前に話したばっかなのに…。
「あーだったら、今行ってこいよ。」
「えっ⁈でも、部活…」
「他のマネもいるし、大丈夫だろー。
でも今度の遠征のも必要だよなー。
あ、ちょうどいいじゃん。
兄キ、ついてってやってよ。」
「はっ⁈」
「裕也先輩⁈」
「他のマネも仕事あるし、
部員たちは練習しなきゃだしー?
荷物持ちには兄キが適任じゃん?
すみれも!
これは主将命令だからな!」
そんな…⁉︎横暴な…⁈