第29章 -噴水-(虹村修造)★
(はぁ…
ひかりまで何やってんだか…。)
オレは席も取っとかなきゃなんねーし、
暫くボーッとひかりたちを眺めていた。
…が、途中で気付いた。
(あいつ……⁉︎)
パッとひかりがいた席を見ると、
そこにはひかりのカーディガンがあった。
…噴水の中にいたひかりは、
ワイシャツしか着ていなかった。
「きゃーーっ‼︎すごーい‼︎」
「おわっ‼︎灰崎、こっちかけんな‼︎」
「ダイキ、よけんなよー‼︎
じゃ、次、ひかりちゃん‼︎‼︎」
バシャーーッ‼︎
「きゃーっ‼︎もうっ‼︎灰崎くんっ‼︎」
「…っ⁈(やっべ♡……黒か♡)
ダイキ‼︎見てみろよ!」
「あー?なんだよ、灰崎ぃ……‼︎
(おおっ♡)」
「…2人とも、どうしたの?
それにしても濡れちゃったねぇ。」
オレが慌てて噴水の中に行くと、
キョトンとしたひかりと
ひかりに釘付けの灰崎と青峰がいた。
「あーおーみーねー‼︎
はーいーざーきー‼︎おまえらぁっ‼︎」
オレが行った時は、
ちょうど噴水が
止まる時間で大丈夫だったが、
3人ともびしょ濡れで、
ひかりにいたっては、
下着がハッキリ透けていた。
(黒かよ⁈やべ…ひかり、やっぱ胸…)
「ひかりもっ‼︎」
バサッ…
「…修造?」
とりあえず、ひかりには、
オレのジャージを着せた。
「青峰!灰崎‼︎おまえら、逃げんな‼︎
とりあえず行くぞー。」
「「(げぇっ‼︎後ろにも目あんのかよ⁈)」」
オレの後ろから逃げようとしてる2人には
最初から気付いていた。
2人の首根っこを掴み、席に戻ると
ちょうど桃井たちが、
ソフトクリームを買ってきたトコだった。
「わっ‼︎ひかりさん⁈青峰くんたちも…
どうしたの⁈」
「紫原!こいつらの分食っていいから、
こいつらちょっと見張っとけ!」
「はぁい。やった♪」
あの2人をシメる前に
まずはひかりだった。
オレはバッグを持って、
ひかりの手を引き、
建物の影の人がいないトコに行った。
「修造、どうしたの?」
まだ気付いていない
びしょ濡れのひかり…。
「遊びすぎて濡れちゃった。
ジャージ、ごめんね。ありがとう。」
ひかりはジャージを返そうと
ファスナーをおろした。
「バカ‼︎着とけ‼︎」
…っ⁈