第29章 -噴水-(虹村修造)★
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夏休み前の土曜日、
部活が終わったあと、
オレとひかりと桃井の3人で
駅前のショッピングモール限定の
マジバのソフトクリームを
食べに行くことになっていた。
もともとは、
ひかりと桃井が話していたのだが、
どうせ帰り道も同じだし、
オレも付き合うコトになり、
なぜか青峰に黒子、黄瀬に紫原、
それに珍しく灰崎まで
ついてくることになっていた。
ショッピングモールに着くと、
思いのほか混んでいて、
桃井と黒子、それに紫原が
並んでおいてくれるコトになり、
残りの5人で
席を取っておくコトになった。
ショッピングモールのマジバは、
今日来ている噴水公園に面していて、
オレたちは外の席を陣取った。
「席取れたし、わたしも
さつきちゃんたちのトコに
行ってこようかな。
たくさん持つの大変だよね。」
「ひかりさん、大丈夫っすよ。」
「紫原っち、いるし♪
ソフトクリーム用のトレイあるし。」
「そっか。じゃ、待ってようかな。」
青峰と黄瀬のことばに納得し、
ひかりはオレの隣に座った。
「「「きゃーー♡黄瀬くん♡‼︎」」」
…⁈
はぁ…。
ひかりと桃井は制服だったが、
男どもは全員ジャージ。
ただでさえ目立つ白ジャージに
デカいヤツばっかいたら…
そりゃ目立ってたよな。
黄瀬はあっという間に
ファンのコたちに連れていかれ、
撮影会状態だった。
「黄瀬くん、大丈夫かな?
すごい人気だね。」
「まぁ、いつものコトだろ?
そのうち戻ってくんだろ。」
…ピシャッ‼︎
「おわっ…⁉︎」
「きゃっ‼︎」
ひかりと話していると、
突然水がかかった。
「虹村さん、油断しすぎー(笑)」
「ココの噴水、すげーっ‼︎」
灰崎と青峰だった。
「おーまーえーらーー‼︎」
オレはブチッと切れて、
立ち上がろうとした……が…
「2人ともひどいっ‼︎えいっ‼︎」
「「おわぁっ‼︎」」
いつのまにか
噴水のほうへ行っていたひかりが、
オレより先にあいつらに反撃していた。
「ひかりちゃん、ひでーっ‼︎」
「どっちがよ⁈ほらっ‼︎」
わーきゃー騒ぎながら、
あっというまに3人で
噴水の中に入っていき、
水のかけ合いが始まっていた。