第27章 -水着-(日向順平)
ピンポーーーン♪
オレは部室を出て、
一直線にすみれの家に向かった。
「はぁい…あら?順平くん?」
もう何度か会っている
すみれのお母さんが出てくれた。
「ちわ…っす。
あの…すみれ…いますか?」
「さっき帰ってきたわよ。
あ、こんなトコじゃなんだから、
あがってあがって。」
やっぱ先に帰ってたか…。
「おじゃまします。」
「すみれ、部屋にいるから、
どぉぞ。」
おばさんのことばで、
オレはすみれの部屋に向かった。
はぁ…なんか緊張すんな…。
トントン…
オレは意を決してすみれの部屋の
ドアをノックした。
「すみれ…オレだけど。」
「順平先輩っ⁈」
部屋の中からすみれの声が聞こえた。
名前呼ばれるの…いつぶりだ?
名前を呼ばれただけで、
なんだか胸が熱くなった。
「あのさ…!オレ…!」
やべぇ…言うの緊張すんな…。
「オレ…別にすみれの水着姿
見たくないわけじゃねーぞ!」
「…っ⁈」
部屋の中ですみれが
反応したのがわかった。
「つぅか、見たいんだけど!」
って、オレ、何言ってんだ⁈
これじゃコガが言うみたく、
ただのヘンタイじゃねーか…。
「すみれ…?」
やべ…引いたか…?
急にすみれは黙ってしまい、
反応がなかった。
ガチャ…
暫くすると、突然すみれの部屋の
ドアが開いた。
「順平先輩…?」
…っ⁈
やっとドアが開いて、
すみれがひょこっと顔を出した…
が、すみれの首元はほぼ素肌で…
オレは思わず視線を下げる…。
「すみれっ⁈おまえ…っ⁈」
すみれは水着を着ていた。
プール練の水着ではなく…
いわゆるビキニを…。
「順平先輩が見たいって…
言ってくれたから…
今…着替えました。」
すみれは胸元がフリルの
淡いピンクの花柄のビキニだった。
「か…かわいい…。」
「えっ⁈」
「あ…いや…」
やべ…つい口に出ちまった。
「えへへ…嬉しい。」
やっと…すみれの笑顔を見れて、
オレはちょっと安心した。
でも…やっぱ胸元目立ちすぎだろ。