第24章 -彦星-(虹村修造)★
次の日…っていうか、
その日の放課後…
修造の誕生日当日は平日だし、
土曜日に改めてお祝いするねって
話してたけど、
やっぱり当日にお祝いしたくて、
わたしは修造にナイショで、
帝光中に来ていた。
ビックリするかな…。
部活が終わる時間になったのだろうか。
さっきまで騒がしかったグラウンドも
いつのまにかシーンとしていて、
代わりに校門前が、部活終わりの
生徒たちで騒がしくなっていた。
修造を待っているトコロを
誰か知ってる人に見られると、
きっと修造がからかわれてしまうから、
わたしは校門から少し離れたトコロで
待っていた。
修造は自主練するだろうし、
もう少し来ないだろうなぁ。
それから徐々に人の通りは減り、
また校門前も静かになってきていた。
「あれ?ひかりさん?」
「えっ⁈」
隠れていたのに、わたしに気づき、
声を掛けてきたのは赤司くんだった。
「そんな所で何をしてるんですか?」
「あ…えっと…」
恥ずかしい…。
変なトコ見られちゃったな。
「虹村さんですか?」
何をしているのか聞いてきたのに、
なんでもわかっているかのように
赤司くんは言う。
「う…うん。なんだか
変なトコロ見られちゃったね。」
「いえ。
可愛らしくていいと思いますよ。」
…っ⁈
可愛いって…⁈
「虹村さん、まだ部室にいますよ。
今日は虹村さんが最後です。」
クスクス笑いながら
赤司くんが教えてくれた。
「あ…ありがとう!」
「いえ。では、失礼します。」
そう言って赤司くんは帰っていった。
わたしは赤司くんのことばに従い、
バスケ部の部室に向かった。