第21章 -大雨-(高尾和成)
-すみれside-
シャワーを浴びて、少し落ち着いた。
ふぅ…
意識しすぎちゃダメ…
和成だって全然いつも通りなんだから‼︎
身体を拭いて、
濡れたTシャツやジャージを
ハンガーに掛ける。
パンツはどうにか大丈夫だけど…
ブラは濡れてしまっていたので、
ジャージの後ろに隠して掛けた。
民宿の浴衣に袖を通す。
ノーブラ…わかんないよね。
キュッと胸元をキツく締め、
お風呂場を出た。
「先にゴメンね。ありがと。」
「…っ⁈…お…おぉ…。」
…?
和成がわたしを見てビックリしていた。
「どうしたの?」
「いや、それ…」
「あっ。その…っ…
服濡れてるし、コレしか…」
…⁈ノーブラ、バレた⁈
「いや、いんじゃん?エロくて(笑)」
「な…っ⁈バカッ‼︎‼︎」
「な〜んてな♪
オレもシャワー浴びてくるわ。」
そう言うと和成は、
お風呂場に行ってしまった。
あ〜もう…
浴衣のなにがエロいんだろ⁇
1人で意識してバカみたい…。
はぁ…変なコト考えるのやめよ。
ソファに座り、スマホを見る。
大坪先輩や裕也先輩から、
「大丈夫か?」
と、心配するメッセージがきていた。
大丈夫…ではない。
でも、2人には
「喫茶店で時間潰してます♪」
と返信した。
まさか、2人で民宿の部屋にいるなんて、
口が裂けても言えなかった。
監督には一応、民宿にいると伝えた。
もちろん、
一部屋とか余計なコトは言わず。
「は〜気持ちよかった♪」
「…っ⁈」
「ん?どした?」
和成が出てきたが、
今度はわたしが固まる番だった。
当たり前だけど、
和成もわたしと同じ浴衣を着ていた。
緩めの胸元から覗く素肌が、
妙に色っぽい。
わたしは思わず目をそらした。
ドサッ…
和成は布団を敷いて、その上に座った。
ドキッ…‼︎
「はぁ…どぉすっかな…」
「な…なにが⁈」
「ん?これから☆テレビでも観っか?」
「えっ⁈」
ビックリしたぁ。
布団に座っていきなり言うから…。
「とりあえず今日は語り明かすか!」
和成が自分の横をポンポンとして、
わたしを呼んだ。
…えっ⁈
わたしは布団の手前で
また固まってしまった。