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〜Mint Candy Story〜

第20章 -年上-(黄瀬涼太)**★


しずかっちが部活に来てから3日後…
オレはオフィス街の、
とあるビルの前にいた。


あの人…青柳さんの会社の前。


武内監督から、
さりげなく青柳さんの会社を聞いた。
偶然にも事務所の近くだった。


デカいビルの前にいるだけで、
見つけられるかわからなかったが、
オレが青柳さんに会えるとしたら、
このビルの前でしかありえなかった。


夕方6時…。
帰宅ラッシュだろうか?
だいぶ人が出てきた。


…っ‼︎


「青柳さんっ‼︎」


「…あれ?キミ…」


青柳さんは、
運良く1人で会社から出てきた。


「黄瀬涼太っス…。
あの…少しだけ…いいっスか?」


「(オレ、ボロ出ねぇかな…)
あぁ。だけど、7時までね。
オレ、これから予定あるから。
酒…は、飲めねぇよな。」


酒が飲めない事実に年の差を感じた。


青柳さんに連れて行かれたのは、
静かな古い喫茶店だった。
ボックス席になっていて、
周りからも隔離されていた。


「で?話って?」


「しずかっちと…
本当に付き合ってるんスか?」


「…そうだけど?
(やっぱりその話だよな…)」


青柳さんは珈琲を飲みながら、
煙草に火を付けた。


「…いつからっスか?」


「……」


「しずかっちが泣いてたの…
知ってるんスか?」


「……」


「なんでしずかっちを
泣かせたんスが?」


「……」


青柳さんが答える前に、
オレは立て続けに質問をした。


「聞きたいコトはそれだけか?」


必死なオレに対して冷静な青柳さんに
オレはやっぱりガキだと、
少し劣等感を感じた。


「しずかっちと付き合ってるって…
嘘っスよね?」


部活に来たときのしずかっちの態度が
どうしても引っかかっていた。


青柳さんは暫く黙っていたが、
観念したように口を開いた。


「はは…降参だな。
そうだよ。
しずか…如月とは付き合ってない。
ただの腐れ縁の友達だ。」


「やっぱり…」


オレは気が抜けて、
はぁっ…と息を吐いた。


「なんでオレたちが
付き合ってないってわかった?」


「しずかっち…
”誠”って呼ぶのに慣れてなかったし…
もし、青柳さんと付き合ってたなら、
しずかっちはあの時泣いてないし、
オレと仲良くなったりしないっス。」


オレは青柳さんの目を見て話した。



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