第19章 -誤解-(宮地清志)***
…チュ。
「宮地っ⁈あの…えっと…」
宮地は突然キスをして、
わたしをジッと見つめた。
「すみれ…」
「きゃっ…」
「おいっ‼︎うわぁっ…」
ずっと正座していたせいで、
わたしは脚が痺れてしまい、
宮地を押し倒すように
布団の上に倒れ込んでしまった。
「いた…っ…」
「…ったく。痛いのはコッチだよ。
早く起きろって。」
宮地がわたしを押し返そうとする。
「あ…脚…痺れた〜〜〜っ。
待って‼︎ちょっと待ってってば‼︎
押さないでっ‼︎痛いっ‼︎やぁっ…‼︎」
「おいっ‼︎変な声出すな‼︎襲うぞっ‼︎」
「は⁈なんで⁈ヤダ‼︎ヘンタイ!
裕也と同じコト言わないでよ!」
こっちは脚が痺れて必死なのに、
宮地が襲うとか言ってきた。
さすが兄弟。
裕也も同じようなコト言ってたっけ。
って、そんなこと
冷静に思い出してる場合じゃない。
「は⁈お前、裕也と何したんだよ⁈」
「何もしてないーーっ‼︎
脚が痺れてるのー!
わたしだって早く起きたいよ!
ちょっと待ってってば…。」
「早く起きろって!」
「やぁっ…痛いのっ!
お願いだから、動かないでっ!」
「すみれっ‼︎早くしろっ!」
「あ…っ!いい感じ!
もうちょっと…!」
やっと脚の痺れが落ち着いてきた。
ゆっくりなら、動かせそう。
そう思って、
ゆっくり体を起こそうと…
「お前ら!いい加減にしろ!」
ガラッ…‼︎
突然部屋のドアが開いた。
「「…っ⁈木村っ⁈」」
木村が真っ赤な顔をして、
ドアの前に立っていた。
「あ!脚治った♪」
わたしがやっと起き上がると、
宮地もすぐに起き上がった。
「お前らなぁ…
外まで聞こえてんぞ!」
「「…っ⁈」」
「その…あれだ…
いくら高校生の男女でもなぁ…
部活の遠征中に何やってんだよ⁈」
…っ⁈
あれ…なんか誤解されてる…⁈
「はぁ…ちげーよ。あのなぁ…」
「木村?あのね?わたし、脚が…」
「言い訳はいいっ!
お前ら、そこに正座しろっ!」
違うってーーーー‼︎
せっかく脚の痺れがおさまったのに、
それから30分…誤解した木村に
わたしたちはお説教されていた。
---End---
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