• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第18章 -初恋-(青峰大輝)**


-another side-
〜黄瀬涼太〜



好きな彼女の笑顔が見たい。


でも、彼女のとびきりの笑顔は、
オレに向けられるモノではない。


中学の時からずっとそうだった。




”オレはすみれっちの味方っスよ”




そのことばにウソはない。


同じ高校だってわかった時は、
心底嬉しかった。
女子バスケ部はないから、
帰宅部にするっていう彼女と
少しでも一緒にいたいと思って、
マネージャーになってもらった。


少しでもオレといる時間が長ければ、
忘れてくれるかも…
オレのコトを見てくれるかも…
あの笑顔をオレに向けてくれるかも…


そんな邪な気持ちがあったのは、
ウソではない。


でも、近くにいればいるほど、
彼女の気持ちが伝わってきた。


あぁ…やっぱり好きなんスね。




青峰っちのコト。


『オレ、すみれっちのコト、
本気で好きっスよ。
今日、会えないっスか?』


青峰っちにメールをして、
一方的に電車の時間と
乗る車両を指定した。


電車が来るタイミングで、
わざと彼女を抱き締めた。


わざと彼女との部活の話をした。


混んできたとき…
わざと彼女を、
青峰っちのほうへ押した。


電車のドアが開いた瞬間、
青峰っちの表情から、
怒りにも似た感情を
オレに抱いていたのがわかった。


明日はきっと彼女のノロケ話を
聞くコトになりそうっスね…。
きっとまたあの笑顔で…。


オレに向けられた笑顔じゃなくても、
彼女の笑顔を守りたい。


そんなコトを思いながら、
1人電車をおりた。


学校帰り…
皆でこの辺通ったっけ…。


懐かしく思い出すのは、
やっぱり中学の頃の
彼女の笑顔になってしまった。


…っ。



思わず涙が溢れてきた。
情けないっスね。


皆でよく寄り道したコンビニを過ぎ、
そこで買ったアイスを食べた
公園を通る。


彼女の指定席…
そこはいつもブランコの端っこだった。


なぜだかそこに足が向く。


彼女は座っていないのに。


暗がりの中、ブランコに近づくと、
誰もいないと思っていたブランコに
先客がいた。


…⁈



ブランコにいた先客も…
オレと同じように涙を流していた。



---End---



→to be continued
→coming soon


/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp