第18章 -初恋-(青峰大輝)**
わたしは思わず、
抱き締めてくれてる青峰くんを
力の限りギュッと抱き締め返した。
「すみれ…っ⁈」
「イヤじゃ…なかったよ。
でも…なんでキスしたのか、
わからなかったし…。
わたしだって…
だんだん話すの減ってきて…
嫌われたのかなって…
で、でも…青峰くんと話したいし…
青峰くんのことばっかり…
考えちゃうし…
駅で…会えないかな…とか、
電車の中で会えないかな…とか…
そんなことばっかり…」
枷が外れたかのように、
わたしは溢れ出す自分の気持ちを
吐き出した。
「じゃあ…」
青峰くんがわたしの体をはなし、
わたしの肩を押さえて見つめた。
「…?」
「オレのモノになってくれよ。」
…チュ。
…っ⁈
青峰くんにキスされたと思ったら、
また抱き締められていた。
「えと…青峰…くん?」
ふにゃりと体の力が抜けてしまった。
「…なにやってんだよ?」
青峰くんが笑いながら、
そのまま支えてくれた。
「久しぶりに…笑った顔見た…」
「…⁈」
思わず見上げて言うと、
青峰くんの顔が赤くなるのがわかった。
「あのね、
青峰くんの”モノ”になるのはイヤ。」
「…っ⁈」
青峰くんがビクッと
反応するのがわかった。
「青峰くんの…”彼女”になりたい。
…ダメ?」
…チュ。
青峰くんのネクタイを引っ張って、
背伸びをして、
わたしは青峰くんにキスをした。
「…っ⁈ダメじゃねーよ。」
青峰くんはまたギュッと
抱き締めてくれた。
「すみれさぁ…」
「なぁに?」
「オレの彼女になるなら、
”青峰くん”じゃなくて、
”大輝”って呼べよ。」
…っ⁈
「わ…かった。」
抱き締めてくれててよかった。
わたし、今、真っ赤だ…。
「あと…」
「なぁに?」
「…黄瀬と話すの禁止な。」
「え⁈なんで⁈ムリだよ!」
「は⁈
オマエ、オレの彼女なんだろ⁈」
「だからって…ムリだよ。」
「ダメだ!
半径3m以内に近づくな‼︎」
抱き締めてくれたままの大輝は、
中学生のときより、
オレ様度が増したと思う。
それでも愛おしくてたまらない。
わたしの初恋の人…。
---End---
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