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〜Mint Candy Story〜

第18章 -初恋-(青峰大輝)**


青峰くんは返事をしてくれない。

ずっと手を引っ張って歩いていて、
気がついたら改札を出ていた。


「青峰くん‼︎青峰くんてば‼︎
ドコまで行くの?」


駅前の広場でやっと止まってくれた。


けど、手を繋いだまま、
青峰くんは無言だった。


「ど…したの?」


気まずくて、わたしから話しかけた。


「………。」


青峰くんは何も言ってくれない。
それでもまだ手を繋いだままだった。


「今日ね…
懐かしいコト思い出したの。」


ふと思いついて話してみる。


「…なんだよ?」


やっと青峰くんが返事してくれた。


「中3の時…青峰くんと屋上で
言い合いした時のコト…。」


「…っ⁈」


「なんで…あの時キスしたの?」


”あの時”…
それで通じると思った。


「…⁈……やっぱ起きてたのかよ?」


「えっ⁈」


”あの時”で通じたけど、
青峰くんは予想もしなかったコトを
言ってきた。


「触った瞬間、ビクッてなってたし、
てか、寝たふりなんかわかるだろ?」


「わ…わかんないよ。」


恥ずかしくて思わず下を向いてしまう。


「つか、黄瀬と付き合ってんのかよ?」


「えっ⁈」


青峰くんが急に
突拍子もないコトを聞いてきた。


「…わたしが先に質問したんだよ?」


「あー?うっせー。
オレが聞いてんだよ。」


…わたしの小さな抗議は、
オレ様な青峰くんのことばに
一蹴された。


「付き合ってないよ?なんで?」


「…っ‼︎なんでもねーよ。」


「なにそれー?」


わたしは深呼吸をして、
ジッと青峰くんを見つめた。


「わたし、質問にこたえたよ?
次は…青峰くんの番?」


「…っ⁈……。」


青峰くんは黙ってしまった。
でも、今回のは、
何か考えているようだった。


「オマエが…」


…ギュ。


「…?青峰くん⁈」


突然青峰くんに抱き締められた。


「オマエが離れて行きそうで、
怖かったんだよっ。」


「え…?」


「あん時…
すげぇ辛そうな表情してたし…
オレのせいだろうしな…。」


「わたしは…」


「でも、結局離れてったけどな。」


「な…っ⁈離れてなんか…!」


「あの後、話すの減ったし…
その…気付いてて…
イヤだったんだろうな…って…
ぁあっ‼︎…オレ、何言ってんだ⁈」

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