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〜Mint Candy Story〜

第18章 -初恋-(青峰大輝)**


-現在-


キスされた次の日、
わたしはどうしても
青峰くんにそのことは聞けず、
何も気づいていないふりをしていた。


青峰くんとは少し
ぎこちなかったけど、
徐々にまたいつものように
話すようになった。


でも、卒業してからは、
会うキッカケもなく、
通学のときの電車で
たまに会うくらいだった。


キスされたとき…
すぐに起きるとか次の日に聞けば、
今…何か違ってたのかな。





「すみれっち〜〜〜っ‼︎
そっちじゃないっス!」


「きゃ…‼︎ゴ…ゴメン。」


ボーッとして、
そんなことを考えていたら、
逆方面の電車に乗ろうとしてしまい、
黄瀬くんに腕を引かれた。


だけど、今、なぜかそのまま後ろから
抱き締められる形になっていた。


「黄瀬くん…?」


若干…というか、かなり…
周りからの視線が痛い。


高校生カップル(じゃないけど)が、
イチャイチャしてるよ…

って視線と、

あれってキセリョじゃない?
なんで…?

って2種類の視線がチクチク…。


「黄瀬くん、はなして?」


「ま〜だダメっス♪」


「なんで?ほら、電車きたってば。」


すぐふざけるんだから。
ま、電車きたし、もう…


…⁈⁈
青峰くんっ⁈


到着した電車は、
それなりに混んでいたけど、
やたら大きくて目立つ
制服姿の胸元あたりが、
ドアのトコロに見えていた。


顔が見えていなくてもすぐわかる。
いつも探してるんだもん…。
わたしが探している制服…
色黒の肌…大きくて強い身体…。


「あっれ〜?青峰っち〜?
偶然っスね☆」


ドアが開くと、
黄瀬くんはわたしの手を取り、
電車に乗り込んだ。


「あ⁈偶然て、おめぇが…」


青峰くんは黄瀬くんに
何か言いかけたが、
途中でやめて、
ジッと下のほうを見ていた。


…?


……っ⁈


「き…黄瀬くんっ!」


慌てて黄瀬くんの手をはなした。


「あぁ。ゴメンゴメン♪忘れてた♪」


やっと黄瀬くんが手をはなしてくれた。


「久しぶり…だね。」


チラリと青峰くんを見上げて、
話し掛けたけど、恥ずかしくて、
わたしはすぐに下を向いてしまった。


「青峰っちも部活帰りっスか〜⁇
オレらも部活帰りなんスよ。
ね、すみれっち♪」

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