第18章 -初恋-(青峰大輝)**
-中1…春-
「さつきーーー‼︎」
お昼休み…
さつきと教室でお弁当を食べていると、
突然見たコトのない男のコが
わたしとさつきの前に現れた。
「大ちゃん⁈」
「お前、鍵忘れてんぞ!
おばさんから預かった。ほら!」
「あれ?入れたと思ったのに。
ありがと、大ちゃん!」
さつきの…彼氏⁇
やっぱり可愛いコは、
もう彼氏いるんだなぁ…。
「すみれー!」
「…えっ⁈あ、な、なぁに⁇」
ボーッと
2人のやりとりを見ていたわたしは、
不意をつかれ、
思わずフォークに刺してたハンバーグを
お弁当箱の中に落としてしまった。
「今、すみれが考えてたコト、
当ててあげようか?」
さつきがわたしの顔を覗き込む。
「え⁇」
「”この人、さつきの彼氏かぁ”…
って思ってたでしょ⁇」
「は⁈何言ってんだよ、さつき‼︎
んなわけあるかっ。」
「もぉ。大ちゃん、話聞いてた⁇
わたしじゃなくて、すみれがー‼︎」
「おい‼︎お前っ‼︎」
男のコは突然わたしに向かって
話しかけてきた。
「えっと…?…はら⁇
名前、なんて読むんだよ?」
男のコはわたしの名札を
ジッと見ている。
…っ。なんか…恥ずかしい…。
「”ひのはら”だよ♪
檜原すみれちゃん♪
すみれ!
このうるさいのは青峰大輝くん。
ただの幼なじみ。
彼氏じゃないよ。」
「おいっ!それ、オレのセリフだろ!
えっと…おい!ひの…」
「”ひのはら”!」
わたしの名前を
1度で覚えられなかったらしい青峰くんに
絶妙なタイミングで
さつきが声をかぶせた。
「…⁈わーってるよ。
つか、読みにくいしわかりにくい!
えっと…すみれだったよな⁈」
「え…⁇う…ん。」
人の名前を読みにくいとか
わかりにくいとか、失礼だなぁ…
と思いつつも、
勢いに負けて言い返せず、
思わず頷いてしまった。