第17章 -友達-(福井健介)
な、なんだ⁈
あんな変なデカい影…⁈
まさか…ホンモノじゃねーよな。
「福井っ!どぉしようっ!
こっち来るっ。」
すみれがガタガタ震えながら、
オレに抱きついてきた。
抱きつくっつーより、
しがみつくって感じだが。
つか、オレ、
なんでこんな冷静なんだ?
たしかにあの影はビビるが…
”デカいの3つ”ってのが、
すげー引っかかる。
あそこに映ってるっつーことは、
あっちの教室から…だよな。
「ちょっ⁉︎ドコ行くの?」
「あー、オバケ退治だよ。」
オレはすみれの手を引いて、
目当ての教室のドアを開けた。
ガラッ…‼︎パチン…‼︎
ドアを開けて、電気を付ける。
「オマエら、バレバレだっつーの!」
そこには白いデカい塊が3つ…
もとい、ウチの2m超えが3人…
岡村、劉、アツシの3人が、
白い布をかぶって揺れていた。
「な、なんじゃ、急に⁈」
「もうおしまーい?
つまんなーい。」
「さ…3人とも何してるの?
皆オバケ役じゃないよね?」
オレの横ですみれが言う。
「だってー。
すみれちんのペアは、
福井さんで決まってるってゆうからさ、
つまんないし。」
「え…?」
すみれがキョトンとしている。
オレのペアが決まってるって、
どういうことだ…?
「すみれ、ひどいアル!
なんで、オレと付き合うのが、
ありえないアルか?」
…っ⁈こいつら、聞いてやがったな‼︎
「あ、あの…意味がよく…」
すみれがポカンとして聞くと、
劉がこたえる。
「福井が頼りないから、
オレたちが人肌脱いだアル。」
…⁈
「オレと劉ちんがペアだったからー。
2人で行ってもつまんないし、
せっかくだから、オレたちも
すみれちんたち驚かせて、
くっつけちゃおうってさくせーん。」
「お、おい!
それを言ったらダメじゃろ?」
「うるさい、アゴリラ!」
「ひどいっ‼︎」
岡村は白い布にくるまれたまま、
泣き崩れた。
「で、やっと手繋ぐだけアルか?」
「え…っ⁈」
すみれは真っ赤になって、
オレの手をはなした。
劉の奴!余計なことを…。
「うっせー。これからだったんだよ。
行くぞ、すみれ!」