第15章 -内緒-(黄瀬涼太)
*2 weeks after*
「えっ⁈あれ、アピールだったの⁈」
「そーっスよ‼︎
すみれっち、いーっつも
真っ赤になって可愛いけど、
全然気付いてくれないんスもん。」
いつもの”隠れ家”でのお昼休み。
涼太が椅子に座ったまま、
わたしの後ろからギューッとして
スネていた。
涼太曰く、
隠れ家で涼太が顔近づけたり、
わたしを散々ドキドキさせてたのは、
”好き”のアピールだったらしい。
スネてる涼太がとても可愛くて、
わたしは少し振り返り、
涼太の頭をナデナデした。
お昼休みに一緒に過ごすのは、
涼太と付き合うことになってから、
週2回に増えていた。
涼太は「毎日がいい‼︎」と
半泣きだったけど。
「マネージャーさんだって、
OK出してくれたじゃないっスか〜‼︎」
風邪が治ってから、
わたしは涼太のおうちで、
マネージャーさんに紹介された。
とても優しい方で、
わたしたちが付き合うことに、
特に反対しなかった。
「付き合うのはOKって言ってたけど、
軽率な行動はしないでねって
言ってたでしょ⁇
涼太だってたまには
ファンサービスしないと…。」
自分で言ってるのに、
ちょっと複雑な気持ちだった。
口では立派なこと言ってるけど、
本当はわたしだって毎日一緒にいたい。
「ほーんとにそう思ってるんスか⁇」
後ろからギュッと
してくれていたはずの涼太が、
いつのまにか
わたしの前にまわってしゃがみ、
わたしの顔を覗き込んできた。
「お…思ってるもん。」
「ふぅん…。」
わたしの心をすべて見透かすような
涼太のまっすぐな瞳に見つめられ、
わたしは思わず少し目をそらす。
それでも、また涼太は、
わたしの目に合わせてくる。
わたしは涼太のこの瞳に弱い…。
観念して小さい声で本音を言った。
「ほんとは…
毎日一緒にいたい…です。」