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〜Mint Candy Story〜

第2章 -百合-(氷室辰也)★


-ゆりなside-



氷室くんといると調子がくるう。



自然に頬を触ってきたり、
花言葉まで知っていて…
「百合が好き」なんて、
花のことなのに自分のこと
言われてるみたいだし…


そんなこと思っていたら、
突然見つめてくるし…


全部わたしの頭の中を
見透かしているような…


恥ずかしいな。
さっき会ったばっかりなのに、
意識しすぎちゃう…。



「氷室くんは
なんで仲村先生のトコに…?」


恥ずかしいのをごまかすため、
わたしは話をそらした。


「あぁ。オレは今日が初めてで。
監督に挨拶しに行くように
言われたんだよ。」


「陽泉も仲村先生のトコに
通ってるんだね。ウチもなの。」


「そういえば、最初男の人と
電車に乗ってなかったかい?」


「え?あ、香山先輩かな。
香山先輩は家があそこから1駅だから、
すぐおりちゃったの。」


「ふーん。なぁ、ゆりな?
”氷室くん”じゃなくて、
ファーストネームで
呼んでくれないか?」




「なんで…?」



ファーストネームってことは、
下の名前?



そういえば、氷室くん、
わたしのこともさっきから
ゆりなってずっと呼んでるけど…



「アメリカにいた時も
ずっと辰也って呼ばれてたから、
氷室って呼ばれるの慣れてないんだ。
だから…ね?」


氷室くんはとびきりの笑顔で、
見つめてくる。


何を考えているのかさっぱりわからない。



「じゃあ…辰也くんで。」


「辰也…がいいんだけどな?」


「…‼︎好きな人以外は、
呼び捨てしないコトにしてるの。」


ドキッとするような妖艶な表情に、
思わず頷きそうになるけど、
わたしは咄嗟にごまかした。




男子バスケ部のマネージャーしてるし、
男のコには慣れてるつもりだったけど、
辰也くんみたいなタイプはいない。





もう恥ずかしすぎるっ‼︎



勘弁して…。


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