第14章 -告白-(虹村修造)★
-虹村side-
部活が終わり、
帰る奴らもいたけど、
ほとんどの奴らは自主練をする。
皆いったん部室で着替えて
体育館に戻るが、
オレはいつもよりゆっくり着替え、
ひかりさんを待った。
…ほんとに来るのか?
今日の練習は途中から3年生が来た。
もちろん、平澤さんも。
相変わらず仲が良さげで、
2人でいる所を見るのは、
少しキツかった。
トントン…ガチャ。
「お疲れさま。
ごめんね、待たせちゃって。」
そんなことを考えていたら、
制服に着替えたひかりさんが来た。
「いえ…。」
やべ…なんか緊張するな。
「そうだ!ごめんね、さっき。」
「さっき?」
「クッキーあげたとき。
わたしが調子にのって
ふざけちゃったから。」
「…?いや、別にひかりさんが
謝らなくても…。」
「でも、虹村くんまで一緒に
からかわれちゃったし…。」
オレはさっきのひかりさんを思い出す。
「…可愛かったですよ。」
「…へ⁇」
ひかりさんは目をまんまるくして、
オレのことを見ていた。
「だから!ことばのまんまです。」
「…ありがと。
やっぱり虹村くん優しいね。」
ひかりさんがニコッとした。
オレは恥ずかしくなり、
わざと視線をそらしてしまう。
「あ!あの…これ。」
さっきのクッキーとは違う
ラッピングのされたチョコを
ひかりさんがオレに差し出した。
「そういえば…本命って、
どうしたんですか?」
コレが本命って言ってくれることを
オレは少しだけ期待していた。
「え…えっと…」
やっぱり…平澤さん…か?
「バ…バスケ部の皆にあげた以外は…
コレ…だけ。」
…っ⁈マジかっ‼︎それって…
でも、否定されるのが怖くて、
オレは話をそらし、
精一杯の”意地悪”を言った。