第14章 -告白-(虹村修造)★
「でも、早すぎない⁇
そんなに楽しみだったの(笑)?」
んっ…と勢いをつけて立ち上がり、
平澤くんの顔を見た。
「…あぁ。楽しみだよ。
お前からもらえるの。」
平澤くんはなぜかジッと
わたしのことを見つめてきた。
「………?
わたしだけじゃなくて、
皆で作ったんだよ?
自信作だから、期待しててね♪」
「……あぁ。
(相変わらず…鈍いよな…)
で、お前はこんなトコで何してんだよ?
まだ部活中だろ?」
「あ…うん。ちょっと反省中。
どしたの?渋い顔して?」
「…なんでもねぇよ。
そっちこそ反省って何やったんだよ?」
「ううん。もう大丈夫!反省終了♪
平澤くん、部活出るの?」
平澤くんはジャージを着ていた。
「おう。他の奴らもそろそろ
来てんじゃねぇか?」
「そっか。楽しみだなぁ。
じゃ、ドリンク多めに作らないと♪
平澤くんのは濃い目だよね♪」
「……っ‼︎」
「じゃ、わたし包帯取りに行くから、
また後でね。」
平澤くんに手を振って、
わたしは部室の方へ歩きだした。
「ひかりっ!」
突然、手を振っていた手を
平澤くんに掴まれた。
「平澤くん?」
「オレさ…その…」
「平澤っ!何してんだよ、行くぞ!」
他の3年生に呼ばれた平澤くんは、
パッとわたしの手を放した。
「悪ぃ…なんでもない。」
平澤くんはわたしの顔を見ずに、
そのまま行ってしまった。
平澤くんに掴まれた手が、
なんだかとても痛かったけど、
その時のわたしには
なんで痛いのかまだわからなかった。