第13章 -親友-(高尾和成)
-すみれside-
どぉしようって散々迷ったけど、
和成さんと気まずいままなのはイヤ…
そう思って着替えて髪を乾かしてから、
もう1度お兄ちゃんの部屋に行った。
トントン…
「はぁい。どぉぞ〜♪」
今度はちゃんとノックをすると、
部屋の中から和成さんの声がして、
ドアを開けてくれた。
「…ってオレの部屋じゃねーけど(笑)♪」
わたしが部屋に入ると、
和成さんは笑顔で迎えてくれた。
お兄ちゃんはまだ部屋にいなかった。
「あの…その…さっき…
ゴメンなさい。」
どぉしよう…ことばが続かない…。
さっきのコトを思い出すと、
恥ずかしくて和成さんの顔見れないよ。
「あはは♪さっきのこと⁇
あぁ、いいって♪
気にしてない気にしてない♪
つか、オレからしたら、
むしろ、ラッキーっていうか…♪」
「えっ⁈」
顔が熱い…。
自分の顔が真っ赤になっていくのが
はっきりわかった。
思わず胸元を腕で押さえてしまう。
「あ、ゴメンね。
変な意味じゃ…って、
女のコからしたら、イヤだよな。
…ゴメンな。」
「そんな…‼︎
勝手に入ったのはわたしだし、
シャンプーくらいで…。」
「シャンプー⁇」
「お兄ちゃん、
今日のラッキーアイテムが
フラワーシャンプーだったから、
わたしのシャンプーを
持ってってたみたいで…。」
「フラワーシャンプー⁇
そいえば真ちゃん持ってたな。
あれ、すみれちゃんのだったんだ?
あれ、女のコに人気だよなぁ。
オレもあの匂い好きー♪
すみれちゃんも使ってんだねー♪」
「は…い。」
…知ってる。
前にお兄ちゃんもいた時に
和成さんが言ってたから…
だから、シャンプー変えたんだもん。
「あの…でも…ゴメンなさい。」
「だーかーらっ♪謝んなって。」
…っ⁈
和成さんがわたしのほうに手を伸ばし、
頭をポンとしてくれた。
今度こそ、わたしは下を向いて固まって
動けなくなってしまった。
「でもさ、真ちゃん、
ボトルごと持ち歩くんじゃなくて、
シャンプー使わなきゃ
ダメだったんじゃねーの⁇
ギャハハハッ‼︎
ラッキーアイテム意味無しじゃん(笑)」
「あ…そういえば…⁈あははっ(笑)」
和成さんの発言に
思わずわたしも笑ってしまった。